【英英辞典】買うならこれ!オックスフォード現代英英辞典【第9版】

2020年3月31日

オックスフォード英英辞典第9版の写真

現代ではスマホやパソコンを使って、知らない単語を検索して意味を調べるなんて普通に行われている事だと思いますし、英語学習の利便性もスマホなどのテクノロジーによってすごい進化を遂げているのは明らかです。そんな現代であっても、やはり紙の辞典は売っています。

今回この英英辞典を紹介する上で、なぜこれを選んだ方が良いのか、なぜ必要なのか、どう役に立つのかなど私なりの考えを書いてみたいと思います。

和英でなく英英を選ぶ理由

英語学習の初期は和英辞典でも構わないと思います。一般的に中学卒業程度の英語力に満たないレベルでこの英英辞典を使うと、見るのが嫌になってしまうというリスクもありますから、最初はわかりやすい、自分にとって使いやすいもので良いかと思います。

和英だけならネット検索で十分

英単語の意味を調べる際、大切なのは「同じ単語だけど違う意味もあるか」が大事です。ですが、その場でとりあえず「その単語を日本語にすると?」が知りたい場合、知る必要がある場合は正直ネット検索やweblioなどの英単語を調べるアプリで十分です。

別に馬鹿にするとか使い物にならないという意味で書いているのではありませんが、正直和英だとその単語の意味を完全補完するのは不可能だと私は感じています。

大切なのはニュアンス

英語も日本語も言葉です。言葉とは「なにかを相手に伝えるための道具」ですね。家電製品の取扱説明書はその使い方を説明するために言葉を用いて作られていますね。

これが「英会話で必要な英単語のスキル」の場合、そんな説明だけでなく「今の気持ちや感情を表現する」という部分も言葉を使って表現しなければいけません。それが出来なければ、AppleのSiriのような感じでしか応対出来なくなってしまいます。

そのような「どんなニュアンスでその単語を使っているのか」が非常に大切です。

初歩的なところだと、以前の記事に書いた「英語圏の子供が読む辞典」が非常に良い教材です。

「パイプ」なんてどこの国でも同じような使い方をするはずですが、辞典に「どのように書かれているか」はその文化圏の考え方を知る一つの手段にもなり得る場合があります。

この辺りをかなり詳しく、非常にわかりやすくネイティブ目線で文法を解説しているのが以前紹介した「1億人の英文法」です。

このように「ニュアンス」の部分を理解しようと思ったら、日本語で英単語のもつ様々な意味を調べるより、この英英辞典をさっと開いて調べる方が正直早いです。

同音異義語に関して

ちょっと話が逸れる感じですが「同音異義語」と呼ばれるもの。当然英語にもあります。

仮に日本語でこれを連発、かつ全てひらがなで書くと非常にややこしい文章が出来上がります。

おもしろテスト

以下のひらがなを読んで、意味が理解できたらクリックして開いてみてください。

この箸の端を持って、この橋の端を走って渡りなさい。

この文章を読んだ時に「頭に絵が出るような感覚」で理解できませんか?それは母国語だからです。

もうこんなのいっぱい作れますよね。次は母国語であってもちょっと混乱しそうです。

この漢字は難しい漢字だ。
通常はこれを想像するかと思います。

この感じは、難しい感じだ。
と何か困難な状況を表しているようにも取れますね。
ちょっと違うかも知れませんが、映画「スターウォーズ」でよく出てくるセリフ
”I have a bad feeling about this"を思い出させる感じです。

とまぁ余談はさておき、日本語だと漢字がありますので、文章にして漢字を使うと勘違いは減りますね。

英語だと大文字小文字はあっても、表現するのはアルファベットの羅列のみで、スペルが同じで異なった意味を持つ場合が多々あります。

英語の同音異義語の例を少しだけ

日常的に使われるものでもかなりありますので、少しだけ紹介すると

  • right 正しいのか右なのか
  • kind 優しいのか何かの種類なのか
  • address 住所なのか誰かに話しているのか
  • band 音楽のバンドなのか締め付けるバンドなのか
  • well 良いのか井戸なのか
  • die 死なのかサイコロなのか

とまぁ、色々とあります。

ニュアンスとはちょっと違う話になるのかも知れませんが、このような同音異義語は和英、英英両方で調べることができますが、前述のように「ニュアンスを含めた例文」として考えるのであれば英英辞典のそれが、よりネイティブの理解に近いのは当然でしょう。

なぜ紙の辞典が必要なのか

正直、どうしてか明確に答える事は難しいですが、知らない単語を調べる際にネット検索でパッと意味がわかった単語って、気のせいかも知れませんが辞典を開いて探して調べた単語と比較すると、私の中では記憶定着率が低いのが明白です。

私だけなのかも知れません。ですからみなさん同様に当てはまるとは限りませんが。

探す間に他の単語を見ている

これは完全に無意識下の話になるかと思います。

ネットで検索する、辞書アプリを使って調べる場合だと、スペルを間違えないように打ち込むか、コピペして検索するかのどちらかになると思います。

この方法だと、一発で目標達成ですね。他の寄り道が全くありません。

辞書や辞典の場合だと、目的の単語が見つかるまでページをめくる必要があります。その間に「目的とする単語以外の単語」が目に入っている事になりますね。そんな時「あ、これ前に見たことある」と何か思い出すようにその意味を読んでみたりする時もありますが、ほとんどの場合は目的の単語が見つかるまで探して、その目的の単語の意味を調べるだけで終わります。

しかし、この作業を繰り返すことに、非常に大きなメリットがあると私は考えています。

英語学習の上達の秘訣とは

英語学習、なにかコツはありませんか?、素早く上達する方法はありませんか?などとよく聞かれますが、正直そんな魔法のような手段があるなら私が教えて欲しいくらいです。

ですから要になるのは、やはり「多聴」と「多読」です。この積み重ね以外の近道はないと断言できます。

紙の辞典だと必然的に多読になる

ここまで読んだ方はもうお気付きかも知れませんが、手間が増えているように見えますが、それは決して手間などではなく「多くの英単語を見る機会が増えている」ことに直結しています。

辞典を使い慣れてくると「だいたいこの辺」の当たりをつけれるようになるので、ページをめくる回数が減るには減るのですが、それでもネット検索と違って「パッと開いて一発で目的の単語にたどり着く」ことはほぼ無理です。

ですからこの「目的の単語を辞典の中から探す作業」の間に目にする単語数は相当な数ということになります。

サブリミナル効果をご存知ですか?

上記リンクを読むのが面倒な方のために要約しますと、巷で言われている「無意識下への記憶の刷り込み」のような効果は実験では否定的であったりするが、本人が望んでいる(何らかの報酬が得られる状況)では効果があったとされています。

その結果から考えると、英英辞典で英単語を調べる方は「英語が上達したいという願望がある状態」であるので、無意識下でも英単語を目に入れる(見る)機会を増やす事によって、何らかの形で脳が「その無意識に見たものを記憶する」とも言えるのではないでしょうか。

効果があるならお得感がすごい

もしそのサブリミナル効果的な嬉しい誤算といいますか、副産物といいますか、そういったものが存在するのであれば、調べたい単語の意味を調べる作業で、知らない間に脳のどこかに「見たことある単語」くらいのレベルかも知れませんが、知らない単語の綴りやスペルが保管される事になります。

イチから単語帳を作ってスペルと意味と例文を頭に叩き込むような作業をするより、こんな感じで断片的な記憶になるのかも知れませんが、たとえ断片であっても勝手に記憶してくれている方が、後にそれらの単語を覚える際に役に立つのは明白ですね。

このような考えから、やはり紙の辞典は必要だと私は考えています。

最新の第10版より第9版がおすすめ

辞書はなるべく新しい方が良いに決まってますが、私があえて第9版をお勧めする理由は、第9版にはソフトが付属しているからです。

第9版はソフトウェア付き

ソフトウェアについては後述しますが、パソコンにインストールして使用できるソフトのDVDが付属しています。WindowsとMac共に対応しています。インストールした際の容量は4GB程度です。

インストールするタイプだと、パソコンを買い替えたりしない限り(バックアップからシステムの移行で戻したりも出来ますが)ずっと使えます。

これが最新版には付属していません。第10版からは、今流行り?のAdobeもMicrosoftのOfficeもみんなこれに変わってしまいましたが、ネット上で使用するタイプ、ライセンス契約になりました。

【DVD-ROM付】オックスフォード現代英英辞典 第9版

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オックスフォード大学出版局
16,000円(05/10 11:50時点)
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この第9版は残りの在庫限りで入手不可能になりますので、必要な方はお早めに購入された方が良いでしょう。

第10版のソフトウェア使用は4年間の縛りがある

ライセンス契約とは言っても、購入してアカウント登録、シリアルナンバー入力(持ってないのですが恐らくそういう仕組み)を行って、ネット上でサービスを使うタイプに変わっています。

インストールして使うタイプではありませんから、どこにいても使える、スマホでもアクセス可能(恐らく)で非常に便利だと思いますが、4年を過ぎると結局毎年お金を支払わなければいけなくなります。仕事上必ず必要なんて方は仕方がないのかも知れませんが、いくら英語学習に必要だからと言って毎年お金を払い続けるのはなかなか踏み切れない部分もあるかと思います。

また英英辞典で調べなければいけないほどの作業が、外出時にそう頻繁に起こるとは思えませんね。

便利なもの、使える道具なんてお金が掛かって当然かとも思います。紙媒体の販売も落ち込みが激しいとも考えられますので致し方ない部分もあるかと思いますが、どうせならずっと使えるものを手に入れたいもんです。

Webサービスとして利用する方が便利だと思われる方は最新版の第10版をお勧めします。

オックスフォード現代英英辞典 第10版

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オックスフォード英英辞典の過去の出版サイクル

では一体どれくらいのサイクルで変わっているのでしょうか。

  • 第10版:2020/3/12
  • 第9版:2015/9/25
  • 第8版:2010/9/11
  • 第7版:2005/11/1

このように5年ごとに改訂されているようです。最新版は今年(記事作成当時)の3月に出たばかりですから、これを購入すると、恐らく5年は「今使っているのが最新版」という状況を作れる事になりますね。

中古も選択肢に入るか

第9版の中古はまだ見つかりませんでした。第8版にもDVDが付属しているのですが、中古で販売されているもののほとんどが「DVD欠品」と書かれていました。価格は1000円ちょっとでAmazonで売っていますので、新品も高いですからとりあえず試しに英英辞典を買ってみたい、使ってみたいなんて方は、中古の購入も選択肢に入れても良いのではないかと思います。

第9版付属ソフトウェア

これが第9版に付属している

"Oxford Advanced Lerner's Dictionary"

という辞典ソフトです。

付属ソフトとは思えない、かなり優秀なソフトだと思います。

書ききれないほど多機能

使える機能があまりに多すぎて、正直私自身も全て使いこなしているとは言えないのですが、ソフトで出来ることはこんな感じです。

  • 単語の発音はブリティッシュとアメリカンの両方を聞くことができる
  • 調べた単語を自分で作成したカテゴリー別にリストを作成
  • 自分の発音を録音して聴き比べる
  • 食事、文化、動物などカテゴリー別で単語をソート
  • スポーツ、ハイキング、駅、オフィス、部屋など状況別の絵が用意されており、それぞれの名称をクリックするとその単語を別画面でポップアップ表示(発音や意味を詳しく調べることが出来る)
  • 動画で英英辞典の使い方を学べる(全て英語)

Windowsにインストールする際は「全ての機能をインストール」を選ばないと動画などのデータは省かれると思います。

著作権の関係もありますから、画像のスクリーンショットは控えさせて頂きますが(この上に一枚貼ってますが)、払った辞典の代金がこのソフトだけでも元が取れたんじゃないかと思うほどです。

画像から単語を調べる機能が素晴らしい

画像からと言っても、こちらの持っている画像から英語を調べるような機能ではありませんが、この機能は非常によく出来ていると思います。

例えば"Bedroom"をクリックすると、あくまで海外のですが、一般的なベッドルームの絵が出てきます。そこにあるそれぞれの物に単語が書かれており、それをクリックすると別の小窓が開いて単語の意味を調べることが出来ます。ベッドルームにあるのは以下のような感じです。

  • 掛け布団
  • 敷布団
  • 枕カバー
  • 全身鏡
  • タンス
  • 引き出し
  • 目覚まし時計

などなどです。このように様々なシチュエーションを描いたすごい数の絵があり、それぞれに単語のリンクが貼ってあります。

英単語を覚える際、やみくもに単語帳を開いて順番に覚えるのではなく、その単語が使われる状況を想定して、関連する単語をまとまりで覚える方が効率が良いです。料理で使う英単語、魚釣りで使う英単語、映画を見た感想を言う際によく使う英単語、このように状況に合わせてまとまりで覚える感じですね。

ですから、この絵を見ながらシチュエーション別に英単語を学ぶことができる仕組みは、かなり有効だと思います。さすがはオックスフォードですね。まさにこれこそが、英語の上達のコツなのかも知れません。

おわりに

英英辞典なんて思うほど売れる本ではないとは思いますが、さすがに過去の版の増刷はあり得ないでしょうから気になる方はぜひ第9版を。

【DVD-ROM付】オックスフォード現代英英辞典 第9版

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Webで使える方がいいよ!という方は第10版を試されてはいかが?

オックスフォード現代英英辞典 第10版

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