これから英会話や英語を独学で習得しようとする方が最初にやるべきこととは?

2019年10月15日

会話する男女

ここでは「英会話を習得しようと決めたが何からやったら良いのか分からない」という方のために、スタートでコケてしまわないようにする為に必要だと思われる情報を、私なりの視点でまとめてみます。

まずは自分なりの目標を設定する

これを読まれている皆様、様々な環境で生活しておられる中、限られた時間の中で英語や英会話といった新たなスキルを身につけようと思われた事、本当に素晴らしい事だとと思います。

英語学習に限らず全てにおいて同じ事が言えるのではないかと思いますが、新しいことにチャレンジする際「さぁやるぞ!」となっても、「じゃ、何をすれば良いの?」の疑問が自分の中にあれば、思い切って突き進むにもどこか躊躇してしまう気持ちが拭えないのではないかと思います。
そこで出来るだけ飽きないように、諦めてしまう事の無いようにするためには、それなりにはっきりとした目標設定とそれを達成するためにやらなければいけないことがあります。

タイムマネジメントの重要性

日常生活の中で新しいことを始めると、今まで通りの生活をするのが困難とまでは言いませんが、これまでの生活と同じ事をしていると、新たにやりたいことが出来ません。

こういった場合に必ず必要なのがタイムマネジメントですね。

これまでの生活習慣の中に「英語学習」という新たな時間を割り込ませなければいけませんので、タイムマネジメントは最初は最重要になってきます。

新しくやりたい事が増えても、1日に使える時間は富豪であろうと普通の人であろうと平等に24時間しかありませんので、どこかで何らかの時間を削って新しい事、今の場合は英語ですね。その時間を割り当てる必要があります。

最初は無理のないように

学習を進めていくうちに、楽しくなって来ると自ずとそこに割く時間が長くなってくるとは思いますが、最初からいきなり毎日3時間は勉強するぞ!なんて事をやってしまうと、出来ない日が増えるに従ってそこに目を向ける事が嫌になる可能性が高くなります。

ですから、最初に行う時間設定は「毎日続ける上で無理のない範囲」で設定する必要があります。

10分でも15分でも全く問題ありません。なぜなら、これまではゼロだった訳ですから、10分であろうと15分であろうと毎日続ける事によって、一年後には「何もしなかった人」と「一年続けた人」で恐ろしい差が出てきます。

「継続は力なり」とはよく言ったもので、やらなかったから、出来なかったからと言って慌てて後から取り返そうとしても、それを「続けていた人」と同じレベルで取り返すことはほぼ不可能です。ウサギとカメの話とはちょっと違いますが、ある部分では似たところがあります。

解ってはいるものの、目標は大きく持ちたい、大きな事を達成したいという気持ちから、最初はどうしても無理なプランで進みがちです。

しかし以下のような考え方で捉える事が重要です。

「週末のみの2時間」と「毎日15分」を一週間の学習時間で比較すると

  • 週末のみ2時間=2時間
  • 毎日15分=1時間45分

こうして見ると、時間は週末のみの方が15分長いです。ですが、結果が出やすい、効果的なのは毎日15分の学習の方が効果的です。

それは何故か。

「記憶定着率を高めるには刷り込み回数が大切」ですから、繰り返す回数が増えることによって「あれなんて言うんだっけ?」が減ります。

それ以外では「生活の中で学習している時間以外に英語の事が頭にある時間」が必然的に長くなっていきますので、一気に2時間やるよりは毎日15分やる方が確実に結果が出ます。

出来るだけ「スキマを埋めるように」時間を取る

明日から毎日15分やるぞ!と決めても、その15分は「出来るだけこれまでの生活に影響の無い時間に当てる」方が良いです。

ライフスタイルを急に変えすぎない

「起きる時間を15分早めて、そこで学習するぞ」は負担が大きいですから長く続けるには不適切である可能性があります。これも習慣ですから慣れたらどうって事無いのかも知れませんが、慣れるまでに苦痛と感じたら「今日はもういいか!」となりやすいので、避けた方が良いでしょう。

例えば「寝る前の歯磨きの15分前にスタート、15分経ったら歯磨きをして寝る」や、「晩御飯が済んだらすぐにスタート、15分やったら終わり」といった感じで、生活の中に、無理なく出来るだけ自然に「新たな15分」を割り込ませるのが良いでしょう。

目標設定は出来るだけ達成しやすい目標で

いきなり「通訳者になる」が目標ではかなりのプレッシャーが掛かってしまいます。そんな風に壮大な目標が無ければ続かないという方はそれで良いかも知れませんが、一般的には挫折しやすい目標設定でしょう。

成功体験を積み重ねる事が最優先

日々、学習を続ける事によって、昨日より今日、今日より明日の方が英語力が上がるのは間違いありません。たとえ忘れた、思い出せないとなったとしても、一度頭に入れて忘れたものをもう一度学習する事によって「刷り込み」という作業になりますから、以前に学習した単語を一度や二度思い出せなくても全く問題ありません。

逆に忘れて再度調べるという作業を繰り返す事によって、簡単に思い出せるというか「自然に使える」ようになっていきます。ここが非常に重要です。

それを積み重ねていくと、自分の中で「やり始めた時はこんな単語も言えなかったのかー」なんて過去の自分を振り返る事がしばしば起こります。こう感じるという事は「成長した自分を実感する」事になります。これも成功体験の1つです。

生活の中でふと思うことを英語で言えるようになる

小さな目標としてはこれがお勧めですね。

「お腹すいたー」「疲れたー」「眠いなぁ」「週末の休みは〇〇に行こうかな」などですね。

最初は難しいかも知れませんが、ふと思う事なんてそんなに大きく変化しないでしょうから、何度も繰り返す事によって自然に頭にそのフレーズが浮かぶようになります。

そんな感じで、自分にあった「ちょっとの努力で達成可能な目標を立てる」ことをお勧めします。

達成したらまた次の目標、それを達成するとまた次といった具合で、どんどん成功体験を積み重ねる事が出来るような目標を設定して下さい。

自分の現在のレベルを正確に把握する

今の自分に合った適切な学習方法を選ぶには、今の時点で自分にどのくらいの英語力があるのかを測る事が重要なのですが、実際にはそう簡単に測れるものではありませんね。

あくまで初学者、英会話は苦手、英語も苦手という方に特化するのであれば、1つの大きな基準となるのは

「中学英語がどこまで理解出来ているか」

が良い判断基準となります。何故なら会話をするために必要な文法や最低限の単語がここに詰まっているからです。

レベル把握の方法

それなりのレベルで英語が使える人と話せば何らかのアドバイスももらえるかも知れませんが、それもなかなか難しいかと思います。ですが今の時代、インターネットを利用すればそのようなサービスは簡単に見つかります。

まずはNHKのサイト

私もパソコンでやってみましたが、終わるまでに15分くらいは掛かります。結果が出ればそのレベルに合った本などを勧めてくれるのも有り難いです。NHK出版の本を売るためのサービスですから当然といえば当然ですが。

次はこちら

昔何度か使った事があるのですが、問題はなかなか手応えのある感じだったと記憶しています。

30分ほど時間を取って、上の2つのテストを試してみるのも良いでしょう。

自分のレベルに合わせたテキストを選ぶ

まず、中学英語で不安が残る場合は、そこを徹底的に学習するのが一番の近道になります。別記事でも書いていますが、中学英語の単語や表現で詰まるようであれば、それ以上のレベルの書籍を使っても、正直余計な時間が掛かるばかりでなく、難しすぎて嫌になってしまう可能性もあります。

中学英語を学習する際、最近よく見かける

  • 〇〇時間で完璧に中学英語がわかるようになる本
  • たった◯日間で中学英語が完璧になる本

これ系のタイトルの本は避けた方が無難かと思います。「聞くだけで何とか」ってのもやめた方が良いです。

なぜなら、皆さん既に心の底ではお気付きでしょうが、世の中そんなに甘くありません。やたら聞こえの良い話に容易く乗ってしまうと痛い目を見るというのは人生の常、良くある話だと思います。

英語は積み上げによって使えるようになります。苦手な方はどこかで躓いたことによって嫌になった、苦手になったんだと思います。それを見つけて克服するのが一番の近道になります。

自分が「何が言えないのか」「何がわからないのか」を知る事によって「何を学ぶべきか」「何をすべきか」が分かります。それがわかったら話は早い。そこを学習すれば良いだけです。

オススメの文法書

別記事でも紹介していますが、私がオススメするのはこの二冊です。

初学者向け

ゼロからスタート英文法 CD付

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安河内 哲也
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少々難しくてもしっかりと基礎固めがしたい方向け

一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)

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大西 泰斗, ポール・マクベイ
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どんな感じの本かは以下の記事を参考にして下さい。

オススメの英単語本

正直、初学者向けでオススメの英単語本が少ないです。ですが敢えて挙げるならこれですかね。

ここに書かれている単語は「間違えようがないレベル」で知っておかなければならない単語ばかりです。

要は中学英語レベルの単語は全て完璧にしておかなければいけないという事ですね。

英会話にとって必要なことは何かを知る

ここに挙げる3つのうちどれが欠けても英会話は成立しない、英語を話すために非常に大切な3つの要素があります。

単語力

難しい単語は簡単な単語を使って言いたいことを説明すれば補えますが、簡単な単語はそうはいきません。

  • 「昨日」が言えない
  • 「水」が言えない
  • 「仕事」が言えない

挙げればキリが無いですが、日本語で会話するのと同じだと想定して下さい。まずこのレベルの単語が話せないと会話はほぼ不可能である事がわかると思います。

単語力は、あればあるほど良いのは当然だからと難しい単語もゴチャ混ぜで覚えようとするのは間違いで、難解な単語はひとまず置いといて、簡単な単語を確実に使いこなせるようになる、絶対に間違えないレベルまで記憶に刷り込む方が後々の英語力の伸びを下支えしてくれます。即効性が無いのが難点というか「つまらないと感じてしまう」理由でもありますが、まずは「普段日本語で話している簡単な会話で使うレベルの単語」をきちんとマスターするところから始めましょう。

文法力

文法に関しては、関係代名詞や仮定法など、そういった難しいものよりまずは単純な時制を確実に使えるようにするのが最優先です。

「明日の晩御飯に焼肉を食べました」なんて間違いは日本語ネイティブは絶対にしませんよね?

このレベルの時制、過去の話をしているのか、未来の話をしているのかを間違えないようにしましょう。

英語の場合、動詞の形が変化して時間を表す事ができるので、日本語とはちょっと違います。

英語でも「食べる、食べている、食べた」のように、後ろが変化するだけのものもありますが、全く形が変わってしまう動詞も数多くありますので、まずはそこをしっかりと覚えなければいけません。

リスニング力

一般的に日本人が一番苦手とするのはこのリスニングだと思います。私たちの言葉には無い音がある英語が聞けないのは当然です。それらの音に耳が慣れていないのですから。

これを克服するには「多聴」が良いと思いますし、とにかく聴いて聴いて聴きまくるしか無いとは思いますが、それだけでは慣れるまでにかなり時間が掛かります。

私の経験から言える事は「自分で言えない音は聞こえない」です。

逆に言うと「言える音は聞こえる」とも言えるわけです。

では何をすべきか。

リスニング力を上げるには、短文から始めるのが良いですが、とにかく「ネイティブの話す音を真似る」です。

歌手のモノマネをするような感覚です。特徴を掴んでそれを真似る練習を繰り返します。何度も何度も聴いている音を頑張って練習して、自分の口でその音を真似できるようにします。

「単語の発音」と言うよりはむしろ「音を作る」という感覚の方が近いです。鳥や牛や豚の鳴き声の真似をするような感覚で真似る方が「単語の発音」という捉え方より早く身につくと思いますので、そんな気持ちで口真似を繰り返し練習して下さい。

諦めずに続けると、いつか必ず出来るようになりますので、すぐに出来るようにならないからと凹む必要はありませんのでご心配なく。

さいごに

英語学習を始める際の最初にやる事としては多すぎるような気もしますが、ただがむしゃらに取り掛かるよりは、出来るだけ無理なく続けるにはどうすれば良いのか、どういったペースが自分の性格や生活には合っているのかをきちんと分析し、そこから始める方が効率が良いですし、合ってないと思ったらその都度変えれば良いだけですから、まずはここで書いた内容についてしっかりと考えてみてください。

学習開始が1日遅れたとて、この先何年も続けてやる中の1日遅れるだけですから気にしないで、

  • 英会話のスキルを手に入れるためには何が必要なのか
  • 今の自分には何が足りないのか
  • 足りない部分を埋めるにはどうすれば良いのか
  • 自分にあった学習プランとは一体どんなペースなのか

ここをしっかりと考えてからスタートすると、英語が話せるようになるまでの道のりが少しは短くなるのではないかと思います。

学習プランが決まったら、

何が言えないのかを探す

事によって

何を勉強すれば良いのかを知る

これが語学の学習の基礎です。

長い道のりのスタートです。慌てず焦らず、のんびりで良いのでとにかく毎日英語に触れる暮らしをスタートして下さい。

何度も言いますが、とにかく継続する事が最優先です。それさえできれば必ず話せるようになりますので、のんびりで良いですから決して諦める事なく毎日コツコツ続けて下さい!